top of page
検索

問い

  • keiokarate
  • 7月27日
  • 読了時間: 6分

平素より大変お世話になっております。

慶應義塾體育會空手部主務、商学部4年の志村侑悟です。


初めての活動日誌ということで緊張しながら書いています。

まず、この”活動日誌”という取り組みを発案してくれた藤井(2年)に感謝します。

私には思いつかないことでした。主務として活動する中で日々業務に追われる忙しさや苦難以上に、私を支えてくれるマネージャーの働きへの感謝をより強く感じています。


さて、本年度の入部式で貝沼監督が「常に問いを立てなさい」という言葉をくださいました。

私が置かれている状況に対し、問い、答えを考えてみました。

私には今、”慶應義塾體育會空手部主務”という肩書きがあります。


①慶應義塾

私が慶應義塾大学にいる理由は、マーケティングを学びたくて受験し、合格したからに他なりません。高校時代のボランティア企画の経験から何となくマーケティングに興味を持ち、その言葉のかっこよさに惹かれ、慶應の商学部を志望校の1つにしました。実際、空手部部長である高田英亮教授のゼミにてマーケティング戦略論、流通チャネル論を必死に学んでいます。ゼミ生は本当に頭がよく、全員尊敬できる人たちです。

ハイレベルな環境で勉強できていることに感謝しています。(卒論は今から心配で心配でなりませんが。)


では、私が慶應義塾大学にいる意味や価値は何か。

色々考えましたが、表面的な答えしか出ませんでした。ただ、仮にも名門と呼ばれる大学を卒業したという事実を持って社会に出て働く、これ自体に意味があるのだと思います。偉大な先輩方を輩出している慶應義塾の誇りと責任を持って来年以降、社会人として活躍します。


②體育會

昨年まで、体育会という繋がりや意識をあまり感じることなく過ごしてきました。しかし、4年になり主務になったことで、体育会という組織との関わりが否応なく増えました。


では、体育会とは私にとってどんな存在か。

最高です。

様々な行事で他部活の学生と交流を深める毎に、まずは素直に楽しさを感じます。しかしそれ以上に、競技は違えど目標に向かって真摯に向き合い、並大抵ならぬ努力を重ねている学生と、仲間として出会えることに大きな刺激を感じています。

各々が各部活で、それぞれ異なる高い壁にぶつかり、試行錯誤してなんとか乗り越えようとしています。その経験談を交換し合うひとときは、普通に生きているだけでは得られない宝物で、私の部活生活に大きな影響を与えています。

「体育会に入ってよかった」、「体育会が好き」と純粋に思える日々です。


体育会の仲間に心から感謝しています。


③空手部

私は4歳から一友会という道場で空手を習い始めました。首都圏の強豪選手が集う有名道場でした。そんな環境で稽古を重ねることで、私も少しずつ上達し、勝つ喜びを知っていきました。

中高は空手部のない進学校だったので、学校の部活(水泳部、陸上部)の後に様々なところで練習しました。周りに空手のことを語り合ったり相談したりできる人はいませんでした。孤独な戦いでしたが、空手は楽しかったです。それでも大学に入った時点では、強豪校に進んだ選手とは比べものにならず、空手を辞めようかと思いました。


では、なぜ空手部に入部したのか。

それでも空手が好きだから、これに尽きます。

入学当初、(これを話すと部員全員に笑われますが、)私はダンスサークルに入りました。何か新しいことを始めたいと思ったからです。しかし、生まれながらのリズム感のなさもあり、1ミリも上達しませんでした。ダンスをやればやるほど、空手への思いは募るばかり。「目標を持って真摯に向き合いたい」、「自分の戦える分野で勝負したい」、そんな思いから、気が付くと空手部の先輩に体験依頼のメッセージを送っていました。そこからは怒涛の毎日でした。サークルでは味わえない上下関係、厳しい練習、日本一を目指す選手たちの熱気。途中入部の私を快く受け入れてくださった先輩、同期には心から感謝しています。

空手ばかりの日々を過ごしていると、いわゆる”大学生らしい生活”に憧れを感じることも多くあります。夏休みは「休み」ではないし、死ぬこと以外かすり傷です。それでもいいと、私たちは全てを空手に捧げています。


空手部だからこそ、感じた悔しさがあります。

空手部だからこそ、できた経験があります。

空手部だからこそ、出会えた仲間がいます。


私はこの空手部に全てを捧げ、本気で日本一を目指しています。私たちが日本一を獲るとは、空手界の誰も思っていません。でも、サッカーW杯の日本代表も同じ境遇でした。彼らは勝ちました。私たちも、日本武道館でやってみせます。


④主務

(蛇足かもしれませんが、)私は今、主務という役職を拝命しております。よく、先輩方から「選手と両立なんて大変だね」と労いのお言葉をいただきます。

“大変”なんてものではありません。筆舌に尽くしがたいほど過酷です。

選手として悩み、自分と向き合う時間があります。

学生として試験勉強や卒業論文に追われる時間があります。

主務業務はそんなことを気にも留めず、容赦なく降りかかってきます。昨年12月に主務になって以来、メールを打たなかった日はありません。部員からも、文句は言われど「ありがとう」とは実はあまり言われません。

しかも、ただ忙しいだけではなく、伝統ある弊部の代表者として、歴代の先輩方に恥じないクオリティを出さなくてはいけません。時間は有限、業務は無限です。

そしてまた、私が歴代主務の先輩方のように”しごでき”ならまだしも、半人前以下なので、他の人に任せることも下手で、指示の出し方も甘く、マネージャー陣に負担をかけてしまうことも多々あり、自分の不甲斐なさに落胆するフェーズもあるので大変です。

マネージャー陣のみんな、いつもありがとう。


では、なぜ私が主務なのか。

いつも思います。答えはわかりません。4年の中で一番マシだから、とよく同期からは言われますが、昨年まで猫をかぶりすぎたかもしれません。とにかく、私がやらなければこの部活は回りません。その事実を受け止め、割り切ってがんばります。


以上、長文駄文で失礼いたしました。

最後の方には愚痴をこぼしながらも、結局そういうことも含め、空手部が大好きです。

これを書いている今はオフ期間ですが、早く練習が始まってくれと、心のどこかで0.1ミリくらい思っているような気がしなくもありません。普通に生きているだけでは過ごせない日々を過ごせていることが幸せです。

残り4か月強、全てを出し切ります。


今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 
 
 

コメント


bottom of page